僕の未熟なエッセイたち

僕が綴るエッセイです。

【高野山での愉快な日々】第2話 木刀と腹筋ローラーを持って

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第2話 木刀と腹筋ローラーを持って

 

2月27日。

高野山へと出発する日がやって来た。

 

50リットルのバックパックに、

着替え、スティーブ・ジョブズの本、

腹筋ローラーを詰め込み、木刀を手に抱え、高野山へと向かった。

 

1ヶ月の高野山生活で、毎日木刀を振り、腹筋をシックスパックにすることが、俺の目標だったのだ。

 

大阪まで新幹線で約2時間半、

そこから高野山まで電車で約2時間、

夜8時頃、ようやく高野山までたどり着いた。

 

高野山の駅から目的のお寺まではタクシーで移動する。

たまたま会った2人の外国人と共にタクシーに乗り込んだ。

 

2人の外国人は俺とは違うお寺に宿泊するらしく、先にそこに向かうことになった。

2人の外国人はGoogleマップを開き、目的地がすぐの所にあると説明するが、

年配の運転手さんはそれを一切見ようともせず、カーナビの指示に従い出発した。

 

タクシーは快調に進んでいく。

快調すぎてGoogleマップ上の目的地なんてとうに過ぎている。

 

不安そうにしている2人の外国人。

でも確かにカーナビではまだ目的地についていない。

 

自信満々に指示してくるカーナビと、自信満々に運転するおじさん。

俺は、とりあえずは運転手さんに任してみようと何も口出しせずじっとしていた。

 

タクシーは真っ暗な細い山道へと入っていった。

運転手さんも少し不安そうになってきている。

 

そして、カーナビが

「目的地です。案内を終了します。」

と宣言した場所は、

周りに何もない、明かりさえもない、不気味な山道だった。

 

2人の外国人は、

「やれやれ、だから言ったじゃないか」みたいな雰囲気を出しているが、

日本人の運転手さんと俺はそれどころじゃない。

 

だって、カーナビが暗い山道に向かわせてくるって、

怪談話の定石パターンやん。

実際この場所もなんか異様な空気を感じる。

いや、怖すぎる。

 

俺「さ、さすがにこの辺りにお寺はなさそうですね。Googleマップに従ってみましょうか。(震え)」

 

運転手さん「そ、そうですね。案内を頼んでもいいですか。」

 

そうして急いでその場を離れた。

「呪いにかかって帰られへんのちゃうか」とも思ったが、何事もなく、無事目的地へと到着。

 

着いて早々、出だしが悪い結果となってしまった。

 

 

 

続く。